阿部芙蓉美さんのライブを見ました。海にも行きました。ライブの感想記事です。
日常に癒しや安らぎが欲しい時に聴くアーティストの筆頭、阿部芙蓉美さん。ハスキーな儚い歌声と美しいメロディが大好きです。実は知ったのはここ2~3年と最近で、spotifyで「希望のうた」を偶然聴いたことがきっかけでした。あらあら、とっても素敵な曲。他の曲はどうかしら。あら、これもいいじゃない。あらあらこれも。知らぬ間に芙蓉美地獄に引きずり込まれ、今に至ります。
5/4に東京公演があると聞き、前のめりでチケットを購入させていただきました。場所は上野のYUKUIDO工房というところ。こじんまりとしつつ、無骨さもあって、非日常が感じられる素晴らしい場所でした。


当日は半袖でも大丈夫なぐらいの気温でした。YUKUIDO工房のコンクリート打ちっぱなしの空間は涼しく、広く澄んだ音を響かせていました。阿部芙蓉美さんの儚い歌声と相性抜群でした。阿部さんがエレキギターで弾き語りをして、中込陽大さん(通称ゴメスさん)がキーボードを弾くというミニマルな編成。それぞれの音がしっかり聴けました。
エレキギターはfenderのjaguarで、キーボードはnordでした。ギターが奏でられました。阿部芙蓉美さんの助走のような呼吸が鳴りました。音合わせのハミングが流れました。そして「live in glory」の曲が始まりました。すーっと流れるように始まったライブは、心の隙間に入ってくるようでした。
ゴメスさんのキーボードはPCに繋がっていて、そこからも音を鳴らしていたように思います。途中ベースのような音や、ギターのフィードバックを思わせるような歪み音が鳴っていた気がしました。ピアノのリバーブも曲ごとでかなり変えていた気がしました。それらすべての音が、阿部さんの弾き語りを縫って、支えて、美しく調和して、極上で、最高の音楽で。
選曲も素晴らしかったです。芙蓉美地獄のきっかけになった「希望のうた」や、大好きな「青春と路地」も聴けて、嬉しかったです。本当にありがとうございました。
阿部さんとゴメスさんは旧知の仲で、十年前にいろんなライブを駆けずり回っていた戦友のような感じらしいです。MCの楽しそうな掛け合いが心地よかったです。阿部さんの静かで優しさがあって、音楽と共にあり続けている佇まい、とても素敵でした。最近KARAOKEという曲名の狂った曲を作ったという皮肉めいたユーモアも。「気持ち悪くなったら、外の空気を吸いに出ていいですからね」という優しさも。阿部さんに寄り添うように静かめに話していたゴメスさんのMCも。最高でした。
阿部さんは「自分はどうやら、呼吸が苦手みたいでして」と仰っていました。少し心配になりました。ただ連想的に、そういえば阿部さんの曲って「呼吸感」あるかも、と思いました。歌い方が呼吸のように自然な感じがするというのもありますが、例えば「君とあの海」という曲で出てくる「絶え間ない嵐の中で 息もできずに泣いてしまうなら」といった歌詞ですとか。「Some True Love」の「本能がアウト うまく息ができない」の歌詞ですとか。「希望のうた」の「静けさの中で君がやっと呼吸するのを見ている」ですとか。ゆったりとしたリズム感も含めて、楽曲からも息づかいを感じるといいますか。
少し前のインタビュー記事で、阿部さんはメロディに当てはまる言葉の響きを重視していて、そんなに意味は求めてないということを仰っていました。歌に寄り添った響き。それが自然体で、呼吸っぽいと私は感じるのかもしれません。
ライブ後の翌々日ですが、なぜか私は海にいました。ライブとの因果関係はないかもしれませんが、海に行ってボーっとしたいなと思ったんです。休日の台場海浜公園は、人もいて賑やかではありましたし、なんならドラクエの序曲を流すようなイベントをやっていたりして、私の心とのギャップに思わず笑いました。

阿部芙蓉美さんの「凪」という曲を聴きながら、海沿いを歩きました。「誰か海に連れてって」から始まるこの楽曲は、大好きな一曲です。「凪ぐ世界で」のリフレインが心地よくて、落ち着きのある楽曲に合わせるように、私の歩みもゆっくりでした。
阿部芙蓉美さんがライブで、「音楽をここまで続けられたことって、すごいよね」と言っていたことと、「本当に、いろいろありましたねえ」とボソッと呟いていたことを思い出していました。どれだけ多くの感情を、音楽と共に過ごしてきたんだろう。そう思いました。
海水浴場へと続く階段に座って、海を眺めていました。曇り空でした。さざ波が寄せては引きました。ビールを飲みました。呼吸をしました。
5/4セットリスト
- live in glory
- 群青
- KARAOKE
- moon river
- 希望のうた
- Some True Love
- 青春と路地
- 空に舞う
- Flower of life(The Novembers cover)
- 開け放つ窓
- tell me
- ウー・ルー
- Super Legend
アンコール
- trip

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