2025年6月、Clair Obscur: Expedition33というゲームをクリアしました。もう結構前のことですが、いまだにプレイした時のことを思い出すほど、大好きなゲームです。せっかくブログも始めたので、感想を記録として残しておこうと思います。
感情のままに好きなシーンや考察をつれづれと書いていますので、ストーリーの核心的なネタバレを全力で放出しております。ご注意ください。なるべく誰が読んでもわかる文章を意識していますが、既プレイで、ゲームのストーリーを違った視点で味わいたいと思っている方向けの文章です。よければお付き合いください。
ひとまず、どのようなゲームなのかを簡単に説明します。Clair Obscur: Expedition 33は、フランスを拠点にするサンドフォール・インタラクティブが開発し、ケプラーより2025年4月24日に発売されたRPGゲームです。評価は高く、いろいろ賞を取ってます。雰囲気は以下の動画を見ればわかるかと思います。
バトルシステムが画期的で、基本はFFのようなターン制コマンドバトルなのですが、バトルの時にタイミングよくアクションを行うことで攻撃力が上がったり、敵の攻撃を回避できたり、カウンターできたりします。このアクション性が戦闘に緊張感を与えます。プレイ時間はメインストーリーだけなら30~40時間ほど。私のようにハマると100時間は越えます。
とても美しいファンタジー世界を冒険できる、アクション性の高い素晴らしいRPGゲームです。そして、人によっては記憶の中に残り続けるゲームだと思っています。
私はこのゲームをクリアした時、「あ、これ以上のゲーム体験、今後一生ないかも」と思ったほどでした。クリア後、高揚感と喪失感がない交ぜになり、以降の数週間はふわふわとした感覚で過ごしていました。2週目をゆっくりイベント重視でやったり、絵を描いたり、考察サイトを見たり、感想を方々へ送るテロリストになったり。特定の人間の心に爪痕をくっきりと残し、狂わせることもある。そんな作品だと思っています。

なぜこんなにもハマったのか。それはもちろんこのゲームが面白いからなのですが、いろいろ考えてみると、キャラクターへの感情移入の度合いが高かったからこそハマったのでは、と思い至りました。各所で語られるキャラクターの人間性や、引きずり込まれるようなストーリー展開に魅了されたのです。
例えば、冒頭で主人公ギュスターヴの元恋人ソフィーが「抹消」されてしまうシーンから、もうグイグイ引き込まれました。「抹消」というのは、巨大な石柱に描かれた数字を越える年齢の人間が、消し去られてしまう現象です。数字は年に一度、ひとつずつ減っていて、ゲームのストーリー冒頭で34から33に数字が減ります。

ソフィーは年齢33歳で、抹消される運命でした。そして彼女自身、その死の運命を受け入れていて、とても気丈に振舞っていました。最後の時間をギュスターヴと共に過ごし、街の人々との会話の中からギュスターヴとソフィーの関係性や人柄が見えてきます。
二人のことを「いい人たちだ」と思い始めてから、ソフィーは抹消されます。その時のシーンも、ソフィーのずっと死を覚悟していたのに、それでも堪えきれずに涙が流れてしまう感じや、ギュスターヴの優しい声や、感動的な音楽も相まって、一気にこの世界に引き込まれます。すんごいんです。本当に。

このような人間的な部分がすごく細かく、美しく描かれていたなぁと感じました。落ち込むギュスターヴを励ますルシアンやカトリーヌや、ギュスターヴとルネのぶつかり合いや、シエルの陽気さと夫の死への深い悲しみなど。時折ユーモアのあるやり取りもあったり、ゲーム後半になると各キャラクターとの親密度イベントのようなものもあってですね。それぞれのシーンで、とても感情表現豊かに生きている描写がされていて、キャラクターに愛着が沸くんです。

そして、ストーリーが容赦ないのも、感情移入を促しました。プレイヤーにキャラクターのことを好きにさせておいて、そのあと殺すという進撃の巨人のような感情のジェットコースターが、結構な頻度で、結構な急こう配で、来ます。第33遠征隊も外界に到着した瞬間大多数が殺されますし(!)。なんなら主人公だと思っていたギュスターブも死にますし(!?)。なんなら仲間全員一回死にますし(!!??)。そのたび心が動かされ、どんどんゲームに没入させられたのです。


ゲームの戦闘システムがつまらないなどのマイナス要素があると全体のテンポも下げてしまうので、分析すると総合力が高いというのが正当な評価なのかもしれません。ですがやはり、キャラクターとストーリーが私の心には印象深く残っています。
心に残っているものを三つほど語らせてください。
一つ目はこちらです。マエルという仲間の一人が、もう一人の仲間ルネと会話した時のものです。この自分が何をしているのかさっぱり分かっていないっていう感覚、勝手ですけど、すごく共感したんですよね。私も文章やら音楽やらいろいろ作るのが好きですが、たまに「あれ、自分何やってんだろ?」となる時があります。好きだからやってるんですが、「何かを作らなければ」というような、強迫観念のようなものが忍び寄ってくる時があるんですよね。やりたいことと、やらなければならないことが混ざって、自分の目的がわからなくなる感覚。
ルネの言葉で、自分のこの感覚が、異常ではないのかもしれないと思えました。もちろん、ルネの世界はもっと厳しいので、こちらの世界とは基準が違うんですが、私は少し救われました。もっとも記憶に残っているセリフの一つで、こういったシーンがあるからこそ、ルネが好きになりました。
二つ目はこちら。いい言葉だなと思いました。彼らというのは両親のことを言っています。つまりまあ、「人生楽しんで生きろや」という至極単純な言葉ではあります。
言葉の心への響き方というのは、言葉を発する人によって変わると思っています。このセリフはまさにそういう言葉でした。画像の消えゆく女というのは、マエルの姉でクレアという人物なんですが、この人、すごく合理的でたくましい、ちょっと冷たい印象すら与えるバリキャリみたいな人なんです。
このシーンで、改めてクレアが信念を持っていて、その上で妹にも助言する、しっかりとした愛のある人なんだなと思えたんですよね。こういう意図していなかった人物からの助言、大好きなんです。クレアというキャラクターも好きになりました。
三つ目はこちらです。ギュスターヴを引き継いで主人公になるヴェルソ。このヴェルソのキャラクター自体が好きすぎました。
このExpedition33の世界自体、そもそもヴェルソという人物が幼いころに描いた絵画の中の世界なんですよね(衝撃の事実)。大体の人物が描かれたものなので、現実の人間はほぼいません。現実世界とつながっている人たちは、マエルと、時折出てくる顔面陥没している人達だけです。
では上の画像のヴェルソがこの世界を描いたのか、というと違いまして、このヴェルソも描かれた人物です。不老不死ですし、すでに100年ぐらい生きている人物です。でも少し特殊で、元のヴェルソの記憶と人格を持つよう描かれた人物です。なお、元のヴェルソは火事で死んでいます。
描かれたヴェルソは、不老不死というのもあり仲間の死をたくさん見て、悩み続けて、人生に疲れ果てたキャラクターなんですよね。最終的なヴェルソの目的は、マエルを生かし自分を消滅させること、つまり絵画世界を消し去ることになるんですが、葛藤してそうなってます。家族と自分のために、嘘をついてでも歩み続けたところに、強い意思を感じました。葛藤しながら、もがきながらも自分の信じた道を進むっていう感じ、好きなんです。ホント大好きなキャラクターです。
考察:ヴェルソの行動と理由
描かれたヴェルソの行動と理由は諸説ありそうですが、ヴェルソ視点で彼の物語を時系列順に整理すると、以下なのかなと考えています。
- 絵画の中でアリーン(ペイントレス)、描かれた家族とともに過ごす。
- 本物ルノワールがアリーンを奪還しにきて絵画が崩壊。旧ルミエールと新ルミエールに分断される。
- 第0遠征隊として旅立つ。
- 理由:崩壊によって散り散りになった家族などを捜索するため
- モノリスのバリア付近で本物クレアに会い、世界の真実を知らされる。モノリスに入ろうとするとクレアが攻撃してくる。第0遠征隊はここで全滅したと思われる(マエルの親密度イベント最終にて)
- ルミエールに戻り、復興を手伝うようになる。
- 愛していたジュリーを含めて仲間を殺し、ルミエールを去る。
- 理由:他の仲間から不老不死であることの疑いをかけられ尋問されたが、この世界がキャンバスの中の世界で、自分は外の世界のドッペルゲンガーのような存在だという真実はあまりにも衝撃的なので、話しても理解してもらえないと考えたため。あくまでジュリーを含めて仲間のためと言っています。この時点では描かれたルノワールの考えを尊重していて、アリーンをそのままにし、いつかジュリーを復活させようという意思すらあります。勇気がなかったと自分を責めるヴェルソ尊いです(ヴェルソのジャーナルにて)
- 描かれたルノワールと対立する。
- 理由:アリーンを絵画から追い出し救うため。もともとアリーンをこの世界に留まらせる方針でしたが、それを変えています。きっかけは少し曖昧ですが、2回目に本物クレアと出会った時に現実世界の母が衰弱していることを知ったのかなと思います。(ヴェルソと本物クレアが会ったのは合計3回。初回は第0遠征隊時、2回目は不明、3回目はマエルが生まれた時)
- ルノワールとの対立状態が何十年も続く。なんとかしようと、モノコやエスキエと旅をしたり、他の遠征隊と旅をしながら解決策を探る。
- マエルが生まれる。ヴェルソは本物クレアからマエルを監視するように言われ、様子を見ていた。
- 第33遠征隊が外界に到着した瞬間、描かれたルノワールに壊滅させられる。ヴェルソはマエルを救出し屋敷に連れていく。
- ギュスターヴが殺されるところを見届ける。
- 理由:ヴェルソは実はギュスターヴを救えました。だがマエルがこの世界が絵画の世界であることを知った時にギュスターヴが傍にいたら、マエルはアリーンを絵画の中から追い出すことに協力してくれないだろうと思ったため、見届けたようです。(マエルの親密度イベント最終にて)
- 第33遠征隊の仲間になる。
- 理由:マエルを利用し、アリーンを絵画から追い出し救うため。
- アリーンをキャンバスから追い出すことに成功する。
- 本物ルノワールの抹消で世界中の人間が消え去る。
- マエルがアリシアの記憶を取り戻し、抹消された人々を蘇らせるためにルノワールと戦う。ヴェルソもそれに協力する。
- 理由:仲間たちの信頼を再び得ようとしたのと、アリーンがすでに現実世界に帰っており、違う未来が作れる可能性を感じたため。はっきりとした言及はないですが、そうでなければ一緒に行動せず、ルノワール側に付いたはず。この時点のヴェルソは、迷いながらもマエルの可能性にかけたのではと考えます。
- ルノワールとの戦いの最後で、キャンバスを消滅させるように考えを改め、マエルと対立する。
- 理由:現実世界で苦しむアリーンの姿と、マエルがルノワールに嘘を付くのを見て、悲劇が繰り返されさせたくないと考えた。元のヴェルソも家族をかばって死んでいるので、自分より家族を救いたいという考えがありそう。ただ、思い通りに生きれない人生の苦しみから解放されたいとずっと考えていて、自滅を願ったのもあると思います。

最後に、このExpedition33のエンディングについても触れておきます。エンディングでは、なんとマエルとヴェルソが対峙し、どちらの方を支持するかでエンディングが分岐します。なんで対立してんねんという部分は、まぁ簡単に言いますとマエルは絵画の中で生きていくべき派で、ヴェルソは現実で生きていくべき派だったんですよね。だから対立したと。
マエルエンドだと絵画の世界は残りますが、マエル自身が衰弱してしまうという現実と、マエルが作り上げた世界で全員が生き続けるという、ちょっとディストピア的な不安を感じるエンドになります。
ヴェルソエンドは絵画の世界が消える、つまりヴェルソも、ルネ、シエル、モノコなどのすべてのキャラクターが消えますが、マエルは現実世界で生きていけます。特にシエルやルネからすると受け入れ難いエンドなので、ヴェルソは彼女らから非難がましい視線を浴びせられます。シエルは受け入れ難いと思いつつ、ヴェルソに少し理解を示した感じもしましたが。

どちらもバッドエンドで、究極すぎる二択です。ただ生きる可能性を信じ、ヴェルソエンドの方を選ぶ人が多いのではないかと思います。エンディング的にも、私はどちらかというとヴェルソエンドの方が好きです。ヴェルソ、モノコ、エスキエが抱き合うシーンは名シーンですし、エスキエのぬいぐるみは可愛いです。

ですが私が最初に選んだエンディングは、マエルエンドでした。理由は、しいて言うなら二つあります。一つ目は、「絵画の世界も現実世界も、どっちも大事にしつつでうまく立ち回れや」と思ったからです。これはまあ、楽観的な願いです。
大事かなと思っているのはもう一つの理由で、この絵画の世界が生きている世界、つまり現実と同じものだと思えたからです。ソフィーが感じていた死への恐怖も、ギュスターブやルネが抱いていた「残されたものに託す」という信念も、シエルが夫を亡くして感じた入水自殺をしてしまうほどの絶望も、モノコがノコに対して感じていた親としての思いなどなど。私には、すべての感情が真実で、それは現実世界と変わらないと思ったんです。
なので、このエンディングの選択肢は、現実世界で生きるか、空想世界で生きるかという問いではなく、単純にどっちの世界で生きていきたいかの問いだと感じたんですよね。なので、どういう世界か知っていて、魅力を感じる絵画の世界の中で生きることを選択しました。
こういうのはどちらが正解というのは全くなく、この選択肢でそれぞれが「うーん」とたくさん悩むことに意義があると思います。こういう二者択一でどっちも誰かが不幸になるみたいな選択は好きではないんですが、だからこそ、心は揺さぶられましたし、記憶に残る体験ができたんだと思います。

本当に素晴らしいゲームでした。まだまだ語り切れてないシーンもたくさんありますが(デュアリステ先生とか、好感度イベントとか、シモンとか!)、きりがないのでこの辺りにしようと思います。
またExpedition33のキャラクター達に会いたくなったら、この世界に飛び込みます。長い文章をここまで読んでいただき、ありがとうございました。
2026/4/25追記:一周年記念やってますね!画像はLINEとかで使えそうで、可愛いです。



おまけ1。戦いの記録。

おまけ2。男の水着集。なんで撮った。




最後に、思い出に浸りつつ、ニヤニヤと見ていた素晴らしい記事や動画様を紹介いたします。考察しがいがあるゲーム、最高ですね。
- 【Clair Obscur: Expedition 33】旗とジャーナルでたどる遠征隊の足跡
- 【Clair Obscur Expedition 33】時系列順にストーリーを完全解説(ネタバレ有り)
- (動画) 【Clair Obscur: Expedition 33】ストーリーの時系列を考察【エクスペ33考察】
- (動画) 観る「Clair Obscur: Expedition 33」【ストーリー動画】【クレール・オブスキュール:エクスペディション 33】【PS5Pro】【PC Steam】【日本語】【なんとか33】
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